有効率は全体として高率
九州大学関連肝疾患治療研究会(KULDS)の小川栄一氏(九州大)は、C型慢性肝炎のジェノタイプ1型に対するソホスブビル/レディパスビル療法や、2型に対するソホスブビルとリバビリンの併用療法の有効性や安全性について検討した多施設共同研究の結果を報告した。対象は、KULDS(25施設)の登録症例のうち、SVR12(治療終了後12週のウイルス学的著効)率の判定ができた患者(1型・ソホスブビル/レディパスビル=401例、2型・ソホスブビルとリバビリン=356例)。ソホスブビル/レディパスビル療法については、SVR12率は98.5%と高率だった。非肝硬変は100%、肝硬変は94.6%。肝硬変症例を詳細に分析すると、NS5A耐性変異なし95.7%、変異あり88.5%となっており、「治療前のNS5A変異の存在が、ややSVR率を低下させる要因」と考えられた。特記すべき有害事象や、肝不全・心不全・不整脈が悪化した例はなく、治療中止は4例(0.6%)のみだった、という。
肝硬変症例では効果低下
一方、ソホスブビルとリバビリンのSVR12率は96.3%。既治療かつ肝硬変症例では82.5%と有意に低率だった。副作用はリバビリンによる貧血が最も多く、遺伝子がITPA CC(貧血が起こりやすい遺伝子型)で、かつ65歳以上の高齢者では23.8%に認められた。ただRBVを減量することで治療を完遂でき、SVR率低下には関連しなかった。貧血以外の重篤な有害事象や、肝不全・心不全・不整脈が悪化した例はなく、治療中止は2例(0.6%)にとどまった、という。
小川氏はSOFを含む治療について「1型、2型ともに有効性は非常に高く、重篤な有害事象や治療中止はほとんど認められなかった」と評価。ただ「肝硬変群は非肝硬変群と比較して有意にSVR率が低下した」と付け加えた。
80歳以上の副作用中止目立つ
大阪大大学院医学系研究科消化器内科学の小瀬嗣子氏は、高齢者C型慢性肝炎のジェノタイプ1型に対するソホスブビル/レディパスビル療法や、2型に対するソホスブビルとリバビリン療法の有効性や安全性について調べた多施設共同研究の結果を紹介した。それによると、80歳以上の副作用中止目立つという。
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日刊薬業( 2016年5月20日 )をクリックしてご覧ください。
【千葉肝臓友の会】