C型肝炎での薬剤耐性に救済治療を

〇周知の如く、C型肝炎は、2011年にウイルス複製メカニズムに直接働きかける抗ウイルス薬(DAA製剤)が登場したことで治療成績が飛躍的に向上しました。飲み薬だけの療法が導入され、わずか12週間で95%以上のウイルス排除が可能になりました。抗ウイルス薬(DAA製剤)は、C型肝炎患者に大きな福音をもたらしたが、同時に薬剤耐性ウイルスの出現という新たな問題を生み出すことになりました。

〇とくに国内において最初に承認されたNS5A阻害剤ダクラタスビルとNS3阻害剤アスナプレビルの併用療法(ダクラ/アスナ)を受けた患者のうち、ウイルスが排除できなかった失敗症例に対するサルベージ(救済)治療法が存在せず、この薬で不成功に終わった患者にとって深刻な問題となっています。これら失敗症例では、早急に再治療を施さなければ肝がんや非代償性肝硬変へと重篤化するリスクが非常に高いためです。

〇このダクラ/アスナ併用療法は、世界に先駆けて日本で承認されましたが、インターフェロン治療ができなかった、治療しても効かなかった代償性肝硬変患者の発がんリスクを抑えるために、当時としてはベストの治療法だったといえます。しかし、失敗例では薬剤耐性ウイルスの問題がありました。現在までに韓国、シンガポール、台湾、オーストラリア、ニュージーランドなどの一部の国・地域で使用されていますが、他方、欧米では、さまざまな理由により承認されていません。このため当然ながら失敗症例についても、日本が世界で一番多くなっています。

ダクラ/アスナ併用療法が臨床使用されていない欧米において、失敗症例に対する救済治療が開発されるとは考えにくいので、多くの患者を抱える日本が、グローバル製薬企業と協力しながら、先頭に立って救済治療の開発に取り組む必要があります。(化学工業日報より抜粋・編集)。

〇関心のある方は、化学工業日報(2016年09月29日)をご覧ください。

千葉肝臓友の会】

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