〇この度、ギリアド・サイエンシズ株式会社は、2018年5月15日、非代償性肝硬変と直接作用型抗ウイルス剤治療不成功のC 型肝炎ウイルス感染症患者に対する治療薬として、「ソホスブビル/ベルパタスビル配合錠」の 日本での製造販売承認を申請した旨発表しました。
〇この薬は、ソホスブビルとベルパタスビルの配合錠ですが、ホスブビルは、2015 年3 月にソバルディ®錠400mg として承認された核酸型NS5B ポリメラーゼ阻害剤であり、NS5A 阻害作用を有する新有効成分であるベルパタスビルを配合したものです。この新薬は、現在米国及びEU 等において既に承認されており、「Epclusa®」(エプクルサ)という商品名で販売されています。
〇日本では、非代償性肝硬変を伴うC 型肝炎ウイルス感染症に対して承認された治療 薬は現在のところありません。申請時の提出データでは、C 型非代償性肝硬変 患者(CPT 分類B 又はC)を対象とした国内第III 相試験において、この新薬をを1日1回、12週間投与した結果、92%(47/51例)の患者がSVR12(治 療終了後 12週時点のウイルス量が検出限界未満)を達成したとしています。
また、直接作用型抗ウイルス剤治療による前治療不成功のジェノタイプ1型又は2型の患者を対象とした別の国内第III相試験において、この新薬とリバビリンを24週間併用投与した結果、97%(58/60例)患者がSVR12を達成したとしています。
〇ギリアドの研究開発部門のヘッドであり、チーフ・サイエンティフィック・オフィ サーのジョン・マクハチソン(John McHutchison, M.D.)氏は、次のように述べていま す。「ギリアドは、たとえ特に治療が難しい患者さんであっても、C 型肝炎の患者さんを治癒する効果的な治療法を提供することにコミットしています。このたび、ジェノタイプ1型および2型のC型肝炎治療薬として承認された最初の1回1錠投与の製剤であるハーボニーを補完する、当社で2剤目の1回1錠投与のC型肝炎治 療薬となる本剤の承認申請が実施できたことを嬉しく思います。」とコメントしています。
〇この新薬の申請は、非代償性肝硬変患者、従来の直接作用型抗ウイルス剤治療不成功のC 型肝炎患者にとって朗報であります。一日も早く承認・発売されることを期待したいと思います。承認・発売は、従来の事例から類推すれば、今年末から来年早々と予想されます。
〇詳細を知りたい方は、【ギリアド社のプレス・リリース】をご覧ください。
【千葉肝臓友の会】