〇標題のC型肝炎新薬について、Care-Netよりの情報を抜粋・要約してお知らせします。ご参考になれば幸いです。
今まで、C型慢性肝炎や肝硬変における根本的治療法としてはインターフェロン(IFN)ベースの治療しかなかったが、その持続的なウイルス消失(sustained virological response:SVR )は約50%で、さらに各種の高率な副作用で十分な治療を施すことができないという問題点があった。そこでHCVを直接叩く薬剤(directly acting antivirals (DAAs))が開発されたが、新規副作用や耐性株の出現があるにも関わらずそのSVRはそれほど改善されなかった。
2013年Gene EJ氏らは、C型肝炎40例に対してソホスブビル(SOF) (核酸型NS5Bポリメラーゼ阻害薬)とRibavirinを一日1回12週飲ませるだけで、副作用がほとんどなくかつSVR 90%以上と報告した。その後、レディパスビル(LDV)(NS5A阻害薬NS5A領域に対するDAA)も追加することで、副作用がなくかつ95%以上の症例でSVRが得られた、という。
今回は肝硬変患者を含む患者に治験が行われ、全体のSVR率は非肝硬変例が98%、肝硬変例は92%だった。各治験の有害事象はほとんどが軽度~中等度で、疲労感(21~45%)、頭痛(23~32%)、悪心(6~23%)であった。治療中止例はなかったとしている。又、治療後の再燃率も極めて低く、2%~6%だったという。
以上の結果を受け、本邦でも同様の治験がすでに開始され、本年2014年夏ごろには最終結果が報告される予定である。今後、この結果からC型肝炎治療は大きく前進し、C型肝炎撲滅の第一歩となると考えられる。