〇周知のごとく、C型肝炎治療の進歩は目覚ましく、内服薬のみで95%以上の極めて高い著効率が実現し、8~12週間の治療でウイルスを完全に排除できる治癒の時代を迎えました。
これにより、C型肝炎の外来治療が一般化してきたが、外来で広く使われるようになると、高齢患者の多くが服用している抗不整脈薬や高脂血症薬など、様々な領域の薬剤との薬物相互作用が問題になって来ます。
〇いわゆる薬の”飲み見合わせ”、すなわち、併用注意・禁忌薬が問題になってきます。薬剤添付書には、併用注意・禁忌薬の一定の記載はありますが、多くの薬剤について必ずしも十分な情報が網羅されているとは限りませんでした。
〇このような状況の中、今回、国立国際医療研究センター病院薬剤部は、肝炎治療薬と併用薬の薬物相互作用を検索できるデータベースを構築し、ホームページ上に公開しました(3月28日)
同センター病院が昨年覚書を締結した英リバプール大学のデータベースを翻訳し、1万件以上の薬物相互作用情報を日本語で簡便に調べられるシステムを完成させました。外来の処方箋を受け取る保険薬局に薬物相互作用に対する認識を広めることなどにより、データベースを積極的に活用してもらいたい考え、という。パソコンのみならずタブレット端末やスマートフォンにも対応しており、外来診察時、薬局での調剤時にもその場ですぐ検索可能で、医師、薬剤師などの医療従事者が簡便に薬物相互作用を確認できるようになりました。
〇薬剤は、日本国内の販売名で登録し、商品名と一般名で検索できるようになっています。また、薬物相互作用データは1万2646件が登録され、商品名で併用禁忌や併用注意など詳細な薬物相互作用の内容を抽出し、確認できる、という。
☆ 例えば、併用禁忌に「マヴィレット配合錠」(グレカプレビル/ピブレンタスビル)と「リピトール錠」(アトルバスタチン)という記載で、データベースの内容も日本の添付文書より充実した情報が掲載されている。マヴィレットとリピトールの薬物相互作用に関しても、今回のデータベースでは薬物相互作用に関わっている薬物代謝酵素、最高血中濃度とAUCの増加率など、詳細な情報が記載されているため、危険性を把握しやすいという。
〇詳細を知りたい方は、 2018年4月18日 (水)配信薬事日報 をご覧ください。
【千葉肝臓友の会】