〇周知の如く、C型肝炎経口新薬、即ち、インターフェロン(IFN)フリーのジェノタイプ1型のC型肝炎治療薬として、これまでにダクラタスビル/アスナプレビル(商品名:ダクルインザ/スンベプラ)、ソホスブビル/レジパスビル(同:ハーボニー)、オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル(同:ヴィキラックス)の3つが発売され、実臨床で、その治療効果は極めて高い。そこに、この度、今年3月の申請から半年後の9月に承認されたエルバスビル/グラゾプレビル(同:エレルサ/グラジナ)が、11月18日に発売されました。治療効果の高い薬剤があるなかで、新薬が発売される価値はどこにあるのか。11月29日、MSD株式会社主催の発売メディアセミナーにて、熊田 博光氏(虎の門病院分院長)がその価値について、今後の治療戦略とともに紹介されました。
〇熊田氏は、このセミナーの講演で、現行の三つの新薬の有効率(SVR12 又はSVR24)、副作用などについて、虎の門病院で市販後の実績を紹介すると共に、今回の新薬、エルバスビル/グラゾプレビル(同:エレルサ/グラジナ)を比較し、その特徴と価値について解説されています。
〇要点を抜粋すれば、熊田氏は、各種治療薬は夫々に薬剤耐性の有無別の治療効果と腎臓・心臓・肝臓への影響など、夫々に利点・欠点があるが、「エレルサ/グラジナは、耐性変異の有無にかかわらず、ハーボニーと同等の高い治療効果を示すが、ハーボニーで注意すべき腎臓や心臓への影響が少なく、ここに新しい薬剤が発売される価値がある」と述べられています。
〇いずれにしても、経口新薬治療法の選択肢が増え、より多くの患者が、より適切な経口新薬治療を受けることができるようになります。特に、腎臓や心臓疾患の持病のある患者には朗報と言えます。
〇詳しく知りたい方は、ケアネット公開日:2016/12/05 をご覧ください。
【千葉肝臓友の会】